個人が「スキルアップ」すると「属人化」していく
個人がスキルアップをすると、自然と仕事は属人化していく。
ということに最近気がついた。
そもそもスキルアップとは、周囲と同列かそれ以上の能力を獲得していくことだが、周囲が持っていないスキルほどより価値は高い。
そしてスキルは鍛えていくほどに周囲を追い抜いていくことになるため、その過程で得られる成果物もまた、周囲のものよりも高度になっていく。
すると扱える力にも差が生まれていく。
これがいわゆる属人化のメカニズムだ。
ちなみにこれは仕事というジャンルに限った話ではなく、広く社会一般に見られる。
(デジタル・ディバイドなど)
「この人がいないと仕事が回らない」という状態は、おそらくどの企業でも見られる現象で、それを完全に回避するのは難しい。
なぜなら人の能力には「差」があるからだ。
「その差を埋めればいいじゃないか」と考えるのは必然だが、そもそもその差が縮まらないのも「個人の差」によるものだ。
属人化はその人材が抜けたときのインパクトが大きくなるため、避けたくなる気持ちはわかるが、避けていると個々のスキルは上がらなくなる。
世の中の技術は指数関数的に高度になっていき、人に求められる能力も日毎に高度なものになっている。
スキルアップと属人化はトレードオフの関係にあるわけだが、「和をもって尊しとなす」の文化が根強い日本では、うまくバランスを取ることはできていない。
もし効率よくスキルアップを図っていきたいのであれば、自分よりも能力が高い人たちのいる環境に行くしかない。
そうしないと「属人化を避けたい上司」の圧力で「出る杭」は打たれてしまう。